さびしい夕飯

今日は昼たくさん食べてしまったので夕飯は軽く済まそうと思い、彼女を誘って近所の韓国料理屋で私は冷やし中華を頼んだ。真冬でも冷やし中華はあるのだ。韓国の冷やし中華というのはベースにとても辛い真っ赤なスープに腰のある面が入っていて、別などんぶりに日本の冷やし中華のスープみたいなものが添えられて出される。この別などんぶりのほうはどうするのかわからなかったので聞いてみると食いながら飲むのだという。私は面倒なのでさっさと麺の入ってるどんぶりに入れて混ぜてしまった。

彼女はラーメンのようなものを頼んだが、私はおなかがすいてるなら好きなものを頼めといった。しかし、中国人は相手がそんな簡単なものを頼んだら自分も同じようなものを食べるのだといって結局ラーメンを頼んだのだった。

まあ日本では普通の風景である。それぞれ一品頼み食べる。だが、中国ではこれはとても寂しい風景らしい。店主はもう何度も利用してるのですっかり顔なじみになった朝鮮族の人なのだが、気を利かせたのか、なぜかサービスだといってもう一品作って持ってきてくれた。

食い終わって外に出ると彼女はぽつりと寂しい夕飯だったねえ。。と言った。私は普通に食っただけじゃない?というと、いや、あれは中国人から見たら日本の一杯の掛けそば並に寂しい風景だという。

腹が減ってなくてもたくさん注文するのが普通だという。このあたり、本当に国民性の違いを感じた。私は食い物を残すのが嫌いな人である。食える分しか頼まないし、注文した以上かならず全部食う。

なので、彼女の家に食事に招待されると私はかなり無理してほとんど食べる。中国人は相手がもう腹いっぱいですといってもまだ食えるだろう?といってよそってくれる。

これは食事の作法らしい。他の友人によると中国では腹が減っていないというのを知っていてもたくさん食事を振舞うのが当たり前で出されたほうは自分の誠意を見せるためにとにかくぶっ倒れようが食うのが礼儀だという。

これは酒も同じで私は1杯しか飲めませんというと必ず相手はもっと勧めてくる。なので、まったく飲めませんといって1杯ぐらい飲んでふらふらになった振りをするのが一番上手な中国人同士の酒の飲み方であり、相手に誠意があると思わせるコツであるという。

酒が飲めない人は信用できないとは日本でも言われたことがある。私は酒が飲めない人なのでこれを言われると困ってしまう。飲める人は飲めない人の苦しみがわからない。酒が飲める人は吐くといってもそれ以前に酒に酔うという気持ちよさがあるだろう。だが、飲めない人は酔えない、酔えないでただ気持ち悪くなり最悪意識を失う。

私はチェーンスモーカーだが、タバコを吸わない人にタバコを吸えとは絶対に言わない。別にすわなくてもかまわないから。だが、酒に関しては上記のような意識が国民を問わずあるようだ。

中国の友人によると酒を飲むというのは楽しんで苦しむ行為であるという。お互いに楽しみ、苦しくなるまで飲んだとき信頼関係が生まれるという。一理あるとは思うが、私のような下戸には命がけの交流だなあと思った。

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